これから店長をやる人が知っておくべきポイント7選

店長が考えていること

現場で信頼と実績を積み上げ、店長に任命される。誇らしく嬉しいですよね!

しかし、店長となると、部下が出来ます。現場のプレイヤー職から店長というマネジャー職へと、役割が変わるのです。

この役割の切り替えがうまく出来ず、つまずいて悩んでしまう方は多いのではないでしょうか?

今回は、これから新しく店長になる方や、店長を目指している方へ、これだけ抑えておけば大丈夫というポイントを7つに絞り、お届けします。

怒りやイライラの感情を表出させない

怒りっぽい店長という存在がもたらすデメリットは、計り知れません。

  • 店舗は怒られる人と怒られない人とで分断される
  • 怒られるのを恐れ、必要な報告が入ってこず、隠すようになる
  • 店にパワハラが蔓延する
  • いつ怒られるか分からないから全員が委縮してパフォーマンスが下がる

上げたらキリがないですが、全て店長というリーダーの役割を務めることにおいて最悪なものばかりです。

店長の役割は、その店を率いて、最高のパフォーマンスを引き出し、業績を上げることにあります。

よって、そもそもこの怒りをコントロール出来ないのであれば、そうした務めを果たすことができないため、店長というリーダーを引き受けるべきではありません。

店長は店の最高責任者で、店の営業結果に一番大きな影響を与えることが出来る人間です。どんなときでも冷静な立ち振る舞いを心掛けて下さい。

怒るな、イライラするな、ということではありません。そんなことは無理ですし、ストレスで身体を壊します。そうではなく、そうした感情をスタッフに見せないことです。「店長怒らせちゃったな」「店長イライラしているな」とか思われないようにすることです。

怒りの感情が起こることはコントロール出来ませんが、その怒りの感情を周囲に見せないことは自分でコントロールが出来るのです。

ここを忘れないでください

一方で喜怒哀楽の「怒」以外は、存分に出してOKです!「哀」の感情を出し過ぎてネガティブとかセンシティブな印象を持たれ過ぎても困りますが、

「喜」と「楽」を恥ずかしがらずにさらけ出すことで、店長の人格や人間味が伝わり、親しみやすくなる可能性大です。

自分でボール(業務)を持ち過ぎない

店長として店の全貌が見えてくると、一気にやるべき業務が降り注いできます。自分しか出来ない業務を持ちすぎていると、すぐに業務処理が追いつかなくなり、余裕が無くなってしまいます。

「後でやろう」「手が空いたらやろう」と判断した時点で、その業務は宙に浮いて誰もやらないと認識してください。

ボール(業務)が来たら、即時

  • 誰かにお願いする
  • その場で指示や判断をして決着させる

この2択の内、どちらかを選択し実行するべきです。

店長は、その店を俯瞰して全体像を把握することが重要です。よって一つの業務にとらわれたち、没頭したりしてはいけません。

よって、自分がやるべき業務を最小限にするため、ボールが来たら速やかに、かつ丁寧に周囲にパスを出して自分の手からボールを離しましょう。

店づくりの軸となるメッセージを繰り返し発信する

ここでいうメッセージは、何を売ってどう儲けるかという営業に関するものではなく、店づくりをどうしたいか?という内容のメッセージです。

言うなれば、店長の頭の中にある理想の店舗イメージを言語化して伝える、ということです。

店のスローガンですね。

例を挙げると

  • ご来店するお客様も働く従業員もどちらも楽しいと思える店にしよう
  • 店長/社員だけでなく、アルバイト・パートさんが活躍する店を作ろう

こんな感じです。

良くヒトモノカネというように、商売には様々な要素があります。しかしメッセージが多すぎては、相手が受け取ることが出来ません。

必ず全員に伝えたい、言わなくても分かるくらい当たり前にしたい!と思うことは、内容を絞り、分かりやすく、シンプルにして、何度も繰り返し伝えて下さい。

店の個性は、この店長のメッセージで決まります。

このメッセージを全員にきちんと受け取らせることが出来れば、後は店長があれこれ言わずとも、自然に店の雰囲気が作られ、そしてルールが、そのメッセージ通りに定まっていきます。

何を売ってどう儲けるかは、時代に合わせて柔軟かつ速やかに変えていく必要があります。今後もコロナやウクライナ情勢のようなパラダイムシフトが起こらないとは限りません。※実際に私が勤める小売りの現場では、インバウンド需要が吹き飛び駅前店の売上は1/10以下になりました。

そのため、商売の軸を決めても良いですが、決めるのであれば、時代に合わせて変える必要についても含ませておいた方が良いと思います。

リスクの高いルールは妥協せず厳しく取り締まる

勤怠・パワハラ・内部不正。この3つの事案に対するリスクヘッジ。忙しいからなどの理由で放置されがちです。

これらの事案は放置すると常態化し、期間が経てば経つほど改善が困難になります。

そして3つ全てが懲戒や解雇のリスクを含んでいます。また、こうしたリスク事案があると、店舗の雰囲気は悪くなりますし、スタッフからの店に対する信頼も大きく下がり、退職してしまう人財も出ます。

いつか改善、ではなく、今日この日からルールを守らせ、厳しく指導しておくべきです。

そして、このルールを破ったらどうなるかをきちんと伝えておくべきです。

例えば

  • 勤怠:懲戒解雇リスクがある。労働基準法違反による刑事罰
  • パワハラ:懲戒解雇、相手方の精神疾患による賠償。
  • 内部不正:100%解雇

など。

これが蔓延っている店は、いわゆる内部に時限爆弾を抱えているようなものです。最近も、人気スイーツの店が労働基準法違反でニュースになっています。

人を酷使しているサービスという印象が付いてしまったら、間違いなくファンは減るでしょう。

店舗全体にモノゴトを共有・周知するスキームを作る

店長だからといって、営業時間全てに勤務しているわけではありません。公休もあれば、会議などで出張することもあります。人間ですから体調を崩してしまうこともあるでしょう。

そのため、対面・口頭での共有・周知では限界があるのです。

必ず文章での共有・周知が必須となります。

その場合、口頭と違ってその場で補足できないので、ご高齢の方や、入りたての新人さん含めて全員が理解出来るよう、分かりやすく文章を書く必要があります。

長くダラダラ書いては、そもそも読んでくれませんし、重要な部分が伝わりません。※これ、ブログでも同じですね・・・。

結論から書き、どんな方が呼んでも分かる文章が書けるよう練習しましょう。

得意としている業務や分野に対して介入し過ぎない

どうしてあなたが今、店長をやっているのかを考えて下さい。少なからず周囲より仕事が出来ており、周囲より評価が高かったからです。

当然、店のスタッフよりも業務スキルは高い場合が多いでしょう。特に自分が得意としていた業務については、スタッフが未熟に見え、ついつい教えたくなったり、口出しをしてしまうものです。

しかし店長には、その業務の習熟度が高いがゆえに、相手には見えていないことが見えています。

自分にとっては当たり前で簡単なことであっても、相手がそうとは限りません。業務を知り過ぎているからこそ、逆にスタッフとは共感力が低い、スタッフの気持ちが分からない状態にあるのです。

そのため、ちょっとした指摘でも相手にはレベルが高すぎて理解してもらえなかったり、店長が自分の担当業務に対して詳しいと知って、相手が委縮したりしてしまう場合もあります。

よって、自分が得意な業務や分野ほど、あえて何もせず現場に任せ、相手から要望があった場合のみ、教えてあげるくらいの距離感が必要です。

一番やってはいけないことは、そのスタッフを飛び越えて自分でその業務をしてしまうことです。

これをやると、担当していたスタッフは存在価値を否定されたことになります。一気に関係性が悪くなるので、絶対にやらないようにしましょう。

新米店長が知っておくべきポイント7選 【まとめ】

  1. 怒りやイライラの感情を表出させない
  2. 自分でボール(業務)を持ち過ぎない
  3. 店づくりの軸となるメッセージを繰り返し発信する
  4. リスクの高いルールは妥協せず厳しく取り締まる
  5. 店舗全体にモノゴトを共有・周知するスキームを作る
  6. 得意としている業務や分野に対して介入し過ぎない

新店立ち上げ当時の私は店長歴1年であり、まだ店舗の最高責任者としての自覚も、判断力も乏しい人間でした。部下への指示も自信を持って行うことが出来ず、自分で仕事を抱えてしまっておりました。

抑えてはいましたが感情的になることもしばしばあり、怖がっていたスタッフもいたと思います。

しかし、少しずつ失敗を受け入れ、そこから学ぶことで成長してきました。

新米店長時代の経験は大変でしたが、店長=マネジャー職として結果をだすことが出来れば、イチ社員=プレイヤー職でいた時とは全く違う大きな自信が付きます。

店長は店舗スタッフだけでなくお客様からも常に注目される存在です。

その中で立ち振る舞い、店を動かし結果を出すことは、どんなに店が小さくても必ず未来のキャリアにおいて財産になります。

ここに記載してあることは、「言うは易し行うは難し」もっと言うと、「行うは易し、継続するは難し」です。

しかし、継続した先にあるのは店舗、そして店長の明るい未来です。難しく、大きな自制心が必要なものもありますが、ぜひ取り組んでみてください。

以上、

それでは~

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